アパート施工日記その8
2006年2月に
<+Aとの正式契約を済ませると、諸江さんが
現場を調査しに来た。
やはり仕事が速いなと感じた。
色々な方向から写真を撮っていったみたいだ。
3月CAnにお邪魔すると、ヴォリュームスタディーが
してあり、プランを写真付きで説明してくれた。
太田市の条例で長屋は一棟あたり6戸までしか認め
られないため、5戸の長屋2棟を立てることにした。
どの住戸もかなり個性的だった。
2棟を並列で並べる案、L型に並べる案。
中でも特に気に入ったのは2棟に大きな屋根を掛けてしまう
大屋根案だった。
しかし宇野さんからまだまだこれは、ボリュームを
見るためだけの案ですからと釘をさされる。
このまま決定してしまう勢いだったのであろう。
宇野さんにプランについてこちらからの提案をひとつ。
今の生活形態はさまざまで
コンパクトな部屋を夫婦でうまく使ったり、
独身でもボリュームのある部屋を
贅沢に使ったりしている。
従来のように単身タイプ、ファミリータイプ
nLDKと呼ぶのではなく
住戸タイプをS,M,Lサイズで呼ぶようにしてはどうか。
(S,M,Lの呼び方は妻が考えた。)
この提案に対し宇野さんから面白いといわれ、
考慮したプランを作成してくれることになった。
次回が楽しみだ。
アパート施工日記その9
2006年4月
プランの打合せ。
より具体的なプランが10案
大別すると
分散的配置(フラクタル)4案
一体的配置6案
すべてがS/30㎡ M/40㎡ L50㎡のボリュームとし
構成されていた。
こんなにプランが出るなんて思いもしなかった。
その中で宇野さんから
Y字案の可能性が一番高いと説明された。
Y字型プランという形状で共有、占有庭などさまざまな空間が出来ている。
伸びやかな敷地を活かし、ここでしか出来ないデザインになっている。
面積以上に広がりを感じる。
受けた第一印象は空港のエプロン、アメリカのペンタゴン
どちらにし我々の考え付くプランではなかった。
宇野さんから、「中々設計をしていてもヒットはあっても
ホームランの手ごたえはない。
でも今回はそれを感じている。」
といわれ模型を見せてもらった。
面白いと思った。
でも次の瞬間妻をどうやって説得しようか考えていた....
アパート施工日記その10
2006年4月16日
妻にY字案の良さをうまく伝えられなかったので
宇野さんに自宅へ来ていただき説明してもらった。
宇野さんより
「特徴として単純なY字の空間なのにその空間の
多様性、つなげることにより自由な造形が得られること。
そして何よりこのプランはここでしか出来ない。
また事務所に出入りする建築関係者は皆一目置いている。」
等の説明の後パース図を見せてもらった。
外観及び内部空間
妻からは電車・コンテナ・トラックに見えないこと
なにより他にはない魅力のある建物になればいい。
妻からOKが出た。
アパート施工日記その11
屋根形状、間取りについて
打合せを行なった。
屋根は片流れ、雨どいなし
間取りは、まだ煮詰まっていなかった。
妻から一言「浴室とトイレが一緒はいや
建物の骨格だけでなく間取りにも
驚きがほしい。」
宇野さんにはプレッシャーになった。
アパート施工日記その12
諸江さんに作ってもらったパースで建物の外観イメージを考える。
色によって建物のイメージがこんなに変わるなんて思わなかった。
パースを見た限りでは白が一番良かった。
アパート施工日記その13
2006年5月28日
CAtで我が家の家族と宇野さんとで間取りの打合せ。
屋根は切妻に変更。
各住戸にテラスをつける。
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アパート施工日記その14
2006年6月に入り
宇野さんより変更後のSタイプの間取りを提案される。
ワンルームだが面積以上に広がりを感じる。
Sタイプだけ浴槽は置くタイプ
全面ガラス張り
こんなアパート群馬で見たことない。
アパート施工日記その15
前回案で基本設計は決まった。
規模の大きさから敷地の高低差に問題が発生
案の再検討をおこない、
建物の途中で段差をつけることに。
あわせてB棟は配置の見直しを
行なった。
前回よりもプランが洗練された。
アパート施工日記その16
前回提案された建物途中での段差を
つけたモデル完成。
思ったよりいい感じ、配置を換えたことで北風対策にも効果ありそう。
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アパート施工日記その17
アパートの設備をオール電化にしたかったが
予算的に無理なのであきらめていた。
そんな時東電ホームサービスの電化機器のリースを見つけた。
諸江さんに相談すると詳しく調べてくれた。
IHクッキングヒーター、給湯器、エアコンをセットでリースでき、
メンテナンスもついて初期投資を抑えられる。
オール電化の夢がかなえられそう。
アパート施工日記その18
東電ホームサービスの群馬総支社に行き、電化機器のリースについて
富田さんに詳しく聞く。
エアコンまでリースに出来れば、初期投資もいらないし
その上後付で、建物のイメージを壊さなくてすむ。
早速契約手続きへ、
リース契約は東芝ファイナンスとすることになり
契約できれば電化機器がリースされることになる。
東電ホームサービスの富田さん、東芝ファイナンスの滝岡さん
お二人が審査の為、我が家に訪れた。
建物の写真や、間取りをみせ説明。
滝岡さんから「こんなすばらしい建物のお手伝いを
出来るのは光栄です。出来ることはがんばります。
出来上がったらぜひ見せていただきたい。」と言われた。
お世辞でもうれしかった。でもまだ審査に通ったわけではない
ほんの少し心配.... ...
アパート施工日記その19
リースの契約書が中々届かない。
東芝ファイナンスの滝岡さんから
メールが入る。
「審査は問題なかったが
メンテナンス付きとなしを一枚の契約書に
まとめるのに時間がかかった」と
給湯器は、東芝製
IHクッキングヒーターは日立製ともにメンテナンス付き
エアコンは各部屋に一台付くようにして
東芝製
メンテナンスなし
設備はこれでばっちり!!
でもここまでそろえる必要があるのだろうか?....
アパート施工日記その20
先日息子の友達のお母さんから「今建てているアパートって
どんな感じですか?」と聞かれた。
「平屋のデザイナーズの長屋タイプ」と説明した。
そうすると「何で平屋なんですか」と聞かれた。
アパートに住んで一番気になること。
それは隣や上下階の音だと思う。
平屋ならば当然、上下階の音はないし
隣の音も防音をしっかりすればあまり気に
ならなく出来るのではないかと思った。
あと最近この辺はアパートがどんどん増えている。
でも、大体が真ん中に階段があり左右に2住戸ずつ
計4住戸タイプを4~5棟立てているパターンが多い。
新築ならば借りる人は多いだろうけれど、古くなった時は
同じタイプの新築に借りる人は流れていってしまうだろう。
だけど平屋で他にはない、いいものであればいつまで
たっても借りる人はいるのではないかと思った。
また、これから先高齢化社会で借り手の年齢が上がっても
平屋であれば借りる人はいるだろうとも思った。
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5月18日現在の施工風景
内装のOSBが貼られ始めている。
目地をそろえ貼られると一部だけでも
かっこよく見える。(自己満足?)
特に玄関は白いドアに合っている。
気がする.....
すべてが貼られるとかっこいいだろう。(自己満足?)
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バリヤフリー
低い目線で撮った写真が
面白かったので何枚か撮ってみた。
写真だと傾斜が良くわからない?
アプローチは階段ではなく傾斜にした。
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C+A
先週からC+Aのホームページに写真と
ホームページのリンクが貼られた。
早速C+Aのホームページからアクセスしてくれる人もいる。
そのC+Aが今度は幕張インターナショナルスクールを
設計する。
GKAとはちがったユニークな校舎が
またひとつできる。
いまから楽しみだ。
こどもの感性
息子の友達があそびにきた。
着いてすぐ「この建物なに?」と息子に聞いた。
息子は「アパートだよ」と答えた。
友達 「こんなアパート見たことない、でもなんかGKAに、にてない」
するどいまだこの時、誰が設計したのか言っていない。
だから僕が説明した。
「GKAを設計したCAnの宇野さんという人に建ててもらったんだよ」と
(正確にいえば設計してもらったんだけど。)
友達 「だから外側と中の壁が似てるんだ」
息子 「そう同じにしてもらったんだ」
友達 「かっこいい、家火事になったら住めるじゃん」
ぼく、心の中で「おいおいそれは困る」
友達 「いいな住んでみたい、庭で遊んだり勉強したり」
ぼく、心の中で「それってGKAだろ」
でもこどもの感性ってやっぱり豊かだ。
かっこいいものをかっこよく感じて
それがなにに似ているか判断して
自分が住んだらこうしたい。
そんなことが、直ぐに連想できる
すてきな感性
いつもでも持ち続けてもらいたい。
Y字の可能性と防音
今まであまり書かなかったアパートの
生活パターンコンセプト
設計段階でいただいた宇野さんの資料
部屋をY字にした時の部屋の使い方を考えたパース
図面をスキャンしているので形がばらばらでみにくいかも。
それからこの間書いた防音について
この部屋はリビングと隣の玄関トイレが接している。
断熱材を従来の50㎜→100㎜に
そして硬質PBを貼り付けた。
もうひとつのタイプは
ここも断熱材を従来の50㎜→100㎜に
そして硬質PBを貼り付けた。
ここは浴室と浴室が背中合わせ
だからこれだけでも音の問題は少ないと
思ったけれど念のため。
ここまで考えているアパートって
そんなにないと思うんだけどな....
新年
2007年の年末僕にとっては
大きい出来事があった。
アパートを設計・監理してくれた
CAnの諸江さんが退社して
自分の設計事務所を持つと
ご本人からメールが届いた。
「えっ」とは思ったが
すぐに、はじめてあった時の事を
思い出した。
それは2年前はじめてCAnの事務所を訪問した時のこと。
宇野さんと打合せに同席され
帰り駅まで道案内していただいた時
その道すがらいろいろ建築の話をした。
その時いわれた「設計事務所で働くひとはいつかは独立したいと
思ってるんじゃないですか」という言葉。
今思えば独立する時のために日々精進してきたのだと。
ゼクエンスの設計・監理を見てもらえば諸江さんが
どれだけきちんとした仕事をしてきたかわかると思う。
(一番わかるのは建築に携わった人、特に吉田組さん)
コストに関しても施主の要求になんとか近づけてくる、
そんながんばりやさん。
きっと独立してもいい仕事をしてくれるだろう。
また、はやく諸江さんが設計した建物が見てみたい。
いい仕事すると思いますから
設計の依頼ありましたらこちらまで
諸江一紀建築設計事務所
単純な法則がつくり出す複雑な世界 宇野享
タイトルは雑誌「新建築」より借用
PC内の写真を整理していたら
まだ使っていないと思われる
上空からの写真があった。
出し惜しみする必要も無いので
すべて載せる事に
TYPE-A~E
そしてTYPE-F~J
続きを読む "単純な法則がつくり出す複雑な世界 宇野享" »
外と中のギャップ
「外と中のギャップ」
これは太田の長屋、ゼクエンスを見学してくれた
いろんな人から聞いたことば。
「外観は一見狭く住みづらそうに見えるけど
中に入るととても広く感じる」
「OSBが、クロスやRCにはない、
いい雰囲気を出している」
10日に発売されるカーサ・ブルータスの取材に
来てくれた人も同じ感想を言っていた。
TYPE-Hを見てみる。
外観と上空写真
リビングから寝室1を見る
寝室1からリビング、キッチンを見る
リビングから寝室2を見る
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カーサブルータスうら表紙
ゼクエンスが掲載されたカーサブルータスが
テーブルの上にうら表紙をうえに置かれていた。
そこにはキッチンの広告が
TOYO KITCHEN STYLE
どこかで見たキッチンのかたち
そう、ゼクエンスにあるキッチンと同じL型キッチン
もうひとつテーブル一体型
値段は全然かなわない
でもゼクエンスのキッチンを作ってくれた職人さん
けっこういい仕事してませんか?
キッチンのデザインはY字プランになった時
必然的にうまれたもの
予算があえばL型ではなくテーブル付のY型になっていたんだけど.....
Casa BRUTUS (カーサ・ブルータス) 2008年 02月号
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発見
このブログでも紹介している
「建築家と出会う場所」を見ていたら
諸江さんのプロフィールが紹介してあった。
写真をよく見れば背景はゼクエンスなんだかうれしい。
それから今日セーブオンによった時
入り口に見た事のある顔が
「ケーキやの堀くんだ」
なんとセーブオンのシュークリームを監修
http://www.saveon.co.jp/
いや~びっくり
出世したな...
Casa BRUTUS (カーサ・ブルータス) 2008年 02月号
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